「夏目アラタの結婚」のジレンマ

ビッグコミックスペリオールで連載中の乃木坂太郎「夏目アラタの結婚」が面白い。
死刑間近の美少女殺人鬼と結婚するはめになった児童相談所職員の夏目アラタ。
もし妻が無罪になったらアラタは殺人鬼といっしょに暮らさなければならない。
って設定なんだが、ここ矛盾していないか?
少女が冤罪だったら、殺人鬼でも何でもなかった、ただのふつうの人だったことになる。
本当に数人を殺していたら、塀の中から出てこられない。
どちらにしろアラタが命の危険にさらされることはない。

ようは獄中結婚しましたってだけの話。
作者はうまくそこをボカして描いているけれど、もともと存在しない恐怖を煽るこけおどしにもそろそろ飽きてきたので、ここに記しておく。
もっとも少女がやはり連続殺人鬼で、そのうえで裁判官やら検事やらを全てだまし、無罪を勝ち取り、晴れて塀の外へ出る、という展開もないではないが、それはあまりにも現実味がなさすぎる。