立花孝志氏の選挙戦について、最近気になることがある。
兵庫県知事選挙で、立花氏は(実質的に)斎藤元彦氏を応援して勝利に導いた。そして次は、相手候補の稲村和美氏への支持を選挙期間中に表明した22人の市長たちと戦うと宣言している。最初は「立花氏が勝つだろう」と思っていたが、よく考えると心配になってきた。
なぜかというと、立花氏の戦い方に気になる点があるからである。立花氏は相手の矛盾を指摘するのがとても上手い。その場では「なるほど、その通りだ」と思えるのだが、後で落ち着いて考えると、少しおかしいところがある。
例えば、県民局長の自殺の件だ。立花氏は「不倫がバレそうになって自殺した」と断言しているが、実際の遺書には「パワハラが原因」と書かれていたという。立花氏は「不倫をする人の言うことは信じられない」と言うが、これはおかしな論理である。不倫をした人でも、パワハラの被害者になることはありえるのだ。
また、パワハラについての考え方も一貫性に欠ける。斎藤氏が机を叩いたのは「パワハラではない」と言う一方で、稲村氏支持を表明した市長の一人が机を叩いたことは「パワハラだ」と非難している。これは矛盾していると言わざるを得ない。
立花氏は目の前での議論では絶対に負けない強さを持っている。だが、その様子が動画で切り取られて、矛盾を指摘されると、説得力が落ちてしまう可能性がある。これからは相手も必ずネットを使って反論してくるだろう。
戦国時代に例えると、立花氏は今、織田信長のように奇襲をかけて勝った。しかし、これからは豊臣秀吉のように、みんなが「なるほど」と笑顔になるような戦い方に変えていく必要があるのではないか。
ファンの一人として思うのは、細かいことで訴訟を起こしたりせず、もっと大きな視点で政策を語ってほしいということだ。そうすれば、将来は総理大臣も夢ではないと考える。だが最近、高級車のロールスロイスを自慢する動画を上げたそうで、これは少し残念である。テレビ局の弁当をXで披露する泉房穂氏と五十歩百歩ではないか。
これまでのやり方では、新しい支持者を増やすのは難しいかもしれない。これからどんな戦い方をしていくのか、とても気になるところである。