「松本人志 太田光 土下座」でググると、なにやら引っかかってくる。
それらの記事が事実だったとして、太田光に非があったとは思えない。
松本人志と太田光。
ひいてはダウンタウンと爆笑問題。
どちらが好きというわけではない。
私はテレビをもっていないので、爆笑問題のラジオと、たまにポータルサイトで取り上げられる松本人志の話題だけを元に、現在の二人を較べてみようと思う。
これが今の私の結論だ。
ふたりが二十代、三十代の頃は、松本人志のほうが断然光っていた。
今、松本が太田より勝っているところは、瞬間的な大喜利での答えとか、それくらいのものだろう。
政治的なコメントは太田光のほうが断然言えている。
最近でいうと、島田紳助氏の枕営業強要疑惑で、松本はひと言も言えていない。
松本と伸助は番組で何度も共演していて、かなり近しいはずだ。
松本が内情を知らないはずがない。
また、フジテレビが放送法を違反していた問題でもだんまりを決めこんでいる。
なにもコメントできないのであれば、司会者とか、アンカーなどの仕事は受けないほうがいい。
一方の太田はどうか。
言ってもいいとなったら、歯に衣を着せずに言うだろう。
「太田は歯止めが利かない」とか「太田は危険だ」とか伊集院光が言っているけれど、それは太田のイメージを尊重しているだけで、太田は計算ずくで言っていいこととよくないことを区別している。
その証拠に松本人志に関しては一切触れてこなかったし、仲がいいとされている木村拓哉を間違ってもおちょくったりしない。
シャレの通じない人物はちゃんと区別しているのだ。
さらに太田は文学的要素も高い。
カート・ヴォネガットとかを語らせたら何時間あっても足りないだろうし、メチャメチャ面白いだろう。
松本にそのへんのことは期待できない。
作る映画はつまらない。
映画評も芯を食わない。
ただ、今現在松本のほうがあたま一つ太田より格上と見られているのは、若い頃、有り余る才能にかまけて横暴なふるまいをしなかったからだろう。
収入と才能につりあわないほどに、謙虚なふるまいをしていたように見受けられる。
松本人志を慕う芸人やスタッフがかなりの数いるのは、そのあたりに原因があるように思う。
そして今の松本はその余録で食えているのではないか。
ここ数年の松本は鋭いことも面白いことも言えなくなったように私には思える。
それでもこれまで培ってきた人脈と、生来の人徳があるからまだまだ芸能界のトップでいられるだろう。
最近、松本の番組に太田光の妻が出演したらしい。
松本は太田光と和解したいのだろう。
太田がこれを受けるか受けないかはもちろん本人の自由だが、いまさら松本と手を組む必要も無いように思える。
ファンとして望むのは、松本人志にはラジオ番組をやってほしいということ。
それもコバンザメみたいな後輩タレントといっしょにやるのではなくて、それなりの論客か、あるいは一人で。
今の松本人志がどれだけリスナーを笑わせられるか、これは興味深い。